小林製薬の紅麹の一連のニュースで、「ベニコウジ」が様々な食品に使われていることが話題になっています。
そもそも「紅麹」と「ベニコウジ色素」の違いを分かりやすくまとめました。
紅麹とベニコウジ色素との違いは何?安全性は大丈夫?
「紅麹」と「ベニコウジ色素」はもとは同じ紅麹ですが、それぞれ異なるものを指します。
紅麹
紅麹は、発酵食品や食品添加物として用いられる微生物の一種である「紅麹菌」(Monascus purpureus)によって生産されます。
米や大豆などの農産物を基質として、この菌を培養することにより得られます。
紅麹は自然な赤色をした発酵食品で、主にアジア地域で食品の着色料や調味料として長い歴史を持っています。
たとえば、中国の「紅糟(ホンザオ)」や日本の「あかこうじ」などが紅麹に該当します。
ベニコウジ色素
ベニコウジ色素は、紅麹から抽出された天然の色素であり、具体的には紅麹菌が生産する色素成分を指します。
この色素は、紅麹を特定の工程を経て処理し、色素成分を抽出・精製したものです。
食品産業では「天然着色料」として利用され、肉製品、菓子、飲料など多岐にわたる製品に赤色を付与するために使用されます。
ベニコウジ色素は、その自然由来の色合いが求められる場合に特に重宝されます。
紅麹とベニコウジ色素の主な違い
紅麹 | ベニコウジ色素 | |
生産物 | 紅麹は発酵食品そのものを指します。 | ベニコウジ色素は紅麹から抽出された色素成分 |
用途 | 紅麹は調味料や食材として直接食品に利用される | ベニコウジ色素は主に着色料として使用 |
形態 | 紅麹は固形または粉末状の発酵食品 | ベニコウジ色素は液体や粉末形の純粋な色素 |
このように、紅麹とベニコウジ色素は密接に関連しているものの、それぞれ異なる特性と用途を持っています。
紅麹とベニコウジ色素の安全性は大丈夫?
紅麹とベニコウジ色素の安全性は大丈夫なのでしょうか。
参考URL:食品安全委員会
紅麹
紅麹自体は長い歴史を持つ発酵食品であり、アジア各国で伝統的に使用されてきました。
通常の食事の一部として摂取する分には問題ありませんが、紅麹にはコレステロール値を下げる作用がある成分(モナコリンK)が含まれているため、過剰摂取は避けるべきです。
特に、モナコリンKは処方薬のスタチンと同じ作用を持つため、医薬品との併用による副作用のリスクがあります。
ベニコウジ色素
ベニコウジ色素は天然着色料として広く利用されていますが、使用する際には量の管理が重要です。
一般的に、食品に使用される量では健康への悪影響は少ないとされています。
しかし、アレルギー体質の人や特定の健康状態の人は、まれに反応を示す場合があります。
安全性に関する研究
世界保健機関(WHO)や食品安全委員会などの国際的な機関は、食品添加物としてのベニコウジ色素の使用基準を設けています。
これらの基準に従って使用される場合、ベニコウジ色素は安全と考えられています。
一方で、紅麹を含むサプリメントの使用に関しては、国や地域によって規制が異なることがあるため、使用前には注意が必要です。
結論
紅麹とベニコウジ色素は、適切に使用される場合には安全とされていますが、個人の健康状態や既存の病状、他の薬剤との相互作用などに注意する必要があります。
特に紅麹を大量に含むサプリメントを使用する場合は、医師や専門家と相談することをお勧めします。
まとめ
これまで紅麹とベニコウジ色素は決められた用途・容量であれば安全であると思われてきました。
今回の一連の報道を受けて、現状健康被害が報告されているものは小林製薬製の紅麹のうち一部のロットです。
「未知の成分」が混入した可能性があり、どの過程で混入したのか、生成されたのかは明らかになっていません。
ただし、他の会社製造の紅麹やそれを原料としたベニコウジ色素の食品の健康被害は報告されていません。
それらの商品は、ベニコウジ色素が入っているからといって過敏に反応する必要はないかもしれません。
今後も注視しておくことが望ましいでしょう。
小林製薬製の紅麹を使った食品の一覧は下記をご覧ください。